精油がシミの原因になるってホント? マッサージ後に外出しても大丈夫?
シミの原因に? 精油の光毒性(ひかりどくせい)とは
リラックスして、しかもお肌にも良いアロママッサージ。ご自宅でアロママッサージを楽しんでいらっしゃる方は多いと思いますが、うっかり使い方を間違えるとシミの原因になってしまうことをご存知でしょうか?
アロママッサージはキャリアオイルにエッセンシャルオイル(精油)を1種類ないし数種類ブレンドして行ないますが、精油の中には日光などの強い紫外線と反応してお肌に炎症などを引き起こす成分を含んでいるものがあります。これを光毒性(ひかりどくせい)と言います。
光毒性成分には、ベルガモテン、ベルガプテン(5-メトキシソラーレン)、ベルガモチン、オキシペウセダニンなどがあり、これらを含む精油として、ベルガモット、グレープフルーツ、レモン、ライムがあります。これらの精油をマッサージに使用した後は、数時間ほど強い紫外線(直射日光や日焼けマシーン)は避けるようにして下さい。
紫外線に反応しますので、夜寝る前にマッサージして、そのままお休みになる場合は問題ありません。数時間は日光に注意する必要がありますが、使ってはいけない精油というわけではありません。十分にご理解の上、楽しんでアロママッサージを行なうようにしましょう。

正しく使用する限りそれほど心配する必要はありませんが・・・
光毒性のある精油
光毒性のある精油でもっとも有名なのはベルガモットです。1950年代から70年代にかけて、ベルガモットの光毒性に関する研究がさかんに行われました。当時は日焼けオイルの1つの成分としてベルガモット油が使われており、やけどなどの皮膚障害の報告が増えたことがきっかけになったようです。
以下は光毒性のある精油のリストです。
(カッコの中は光毒性を避けるために推奨される希釈濃度です。マッサージとして使用する場合は1%以下を目安としますので、レモンやグレープフルーツなどは注意は必要なものの、あまり神経質になる必要はないでしょう。)
光毒性を避けるために推奨される希釈濃度
バーベナ (マッサージでは使用しない)
タジェット (0.05%以下)
ベルガモット (0.4%以下)
クミン (0.4%以下)
ライム (0.7%以下)
アンジェリカルート (0.78%以下)
ルー (0.78%以下)
ビターオレンジ (1.4%以下)
レモン (2%以下)
グレープフルーツ (4%以下)
光毒性のないフロクマリンフリー精油とは
光毒性のあるベルガプテンやベルガモチンは化学的にはフロクマリン類に分類されます。さまざまな植物によって生産される有機化合物の一種です。多くのフロクマリン類には毒性があり、主に昆虫などの捕食者に対する防御機構の一つとしてこれらの化合物を生産しているようです。フロクマリン類はフラノクマリン類とも呼ばれます。
ベルガモット精油に含まれるフロクマリン類は、蒸留によって除去することができます。フロクマリン類をとりのぞいた精油のことをフロクマリンフリーといい、FCFと表記します。ベルガモットをマッサージに使用したい場合は、必ずこのベルガモットFCFを使うようにしましょう。
フロクマリン類は柑橘系の精油(ミカン科)に多く含まれますが、いくつかの柑橘系精油には光毒性がないと考えられています。柑橘系=光毒性というわけではありません。スイートオレンジ、ゆず、マンダリン、タンジェリンには光毒性がないと考えられています。また、レモンやライムであっても、水蒸気蒸留で抽出した精油には光毒性はありません。