精油の滴下にコツはある? 精油の消費期限はどのくらい?
精油を扱うポイントはイライラしないこと
エッセンシャルオイル(精油)の使い方(取り出し方)になにか注意点はあるでしょうか?
「使い方」といっても、芳香浴やアロマバスなどの具体的な使い方(楽しみ方)については別ページで詳しく解説いたしますので、ここではボトルの使い方や滴下方法などにポイントをしぼってご説明いたします。
まず、ひとつ抑えておかなければならないことは、精油の種類によって粘度が異なるという点です。粘度とは「ねばり気、やわらかさ」のことで、つまりサラッとしたオイルと、ベタッとしたオイルがあるということです。
サラッとしたオイルの代表はオレンジやレモンです。これらの精油を滴下するときは、うっかりボタボタッと流れるように出てしまうことがあります。この場合はゆっくり瓶を傾けるなど、静かに滴下する必要があります。
ベタッとしたオイルの代表はベンゾインやベチバーです。これらは瓶を逆さにしてもまったく出てこないことがあります。イライラしてブンブンと瓶を振ってしまう人がいるのですが、これは決してやってはいけません(すっぽ抜けて、近くにあるテレビなどを破損するおそれがあります)。瓶を逆さにしたら、そのままじっと保持してください。1滴目が出るまでに数十秒かかる場合もありますが、ゆっくりとオイルが出てきます。2滴目以降は普通に出ることが多いです。
また、精油のドロッパーにはオイルが出る穴(注ぎ口)の他にもうひとつ、空気が入るための穴(空気穴)がついています。ここに気泡がついていると精油が出にくくなることがありますので、ドロッパーに静かにフッと息を吹きかけてから滴下すると、精油が出やすくなることもあります。これも強く吹きすぎるとオイルが顔に飛んでくる場合がありますので、優しく行なって下さい。

精油の種類によってオイルの粘度(サラサラ度)が異なることに注意
精油の保存は常温で大丈夫
精油は酸素や日光、温度などによって変質しやすいものですので、保管には注意が必要です。
精油を保存する容器には、青や茶の遮光瓶を使用します。精油の原液はポリエチレン容器を劣化させることがありますので、別の容器に移し替える場合も、必ずガラス製の瓶を使用してください。(キャリアオイルはポリ容器でも構いません。)
精油は直射日光のあたらない冷暗所に保存します(常温保存)。冷蔵庫に入れる必要はありません。長く保存したい場合や、変質しやすい柑橘系の精油などは冷蔵庫に入れておくと長持ちします。
コンロの近くやファンヒーターの前などは引火する恐れがありますので、決して置かないで下さい。
精油の消費期限(品質保持期限)は開封後6ヶ月から1年
エッセンシャルオイル(精油)の消費期限はどのくらいでしょうか?
精油の保存においてもっとも気をつけなくてはいけないのは「酸化」です。酸化とは文字通り酸素と結びつくことですが、人間の血管が酸化してだんだんもろくなっていくように、精油についても劣化の原因となります。精油を使用した後は、空気にふれないようしっかりとキャップを閉めてください。
精油の消費期限(品質保持期間)は、未開封の場合はおよそ3年、開封後はおよそ1年が目安です。ただし、オレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系の精油は酸化しやすいため、開封後半年が目安となります。
ベチバーとパチュリについては、例外的に年を経るごとに品質が良くなると言われています(高級なワインのようなイメージです)。これらについては、消費期限を長く考えてもよいでしょう。
精油は食品や化粧品と異なり、雑貨としての位置づけのため、特に消費期限を表示する必要はありません。メーカー側で自主的に消費期限をつけているケースもあるのですが、これも3年から5年くらいの期間を機械的につけていることが多く、根拠があいまいのため、あまり意味のある数字とは言えません。実際に自分で開封した後にどのくらい時間が経ったか、ということに気をつける必要があります。
精油が酸化すると明らかに嫌な匂いがします。もし、以前と比べて香りが変だと感じたら、その精油は早めに処分するようにして下さい。嫌な香りをガマンすることはストレスにつながります。ストレスはこころとからだに良い影響を与えてくれません。