精油はどうやって抽出するの? 精油の作り方は?
精油を作るための4つの方法
精油はどうやって作るのでしょうか? また、家庭でも作れるものでしょうか?
多くの精油は「水蒸気蒸留法」という方法を使って抽出します。原料となる植物を蒸留釜に入れて水蒸気を当て、後で冷やして水とオイルを分離します。大掛かりな道具が必要ですので、これをご家庭で行なうのは大変でしょう。
(ミニサイズの蒸留器も10万円くらい出せばないことはないですが・・・)
子供のころ、みかんの皮を指でグッと押しつぶして、汁をピュッと出した経験はないでしょうか? このときに出る汁も精油です。柑橘の精油の中には、このように圧力をかけてしぼり出すものもあります。
以下に精油の主要な抽出方法を4つご紹介します。
水蒸気蒸留法
葉や全草、木などから精油を抽出する場合に用いられます。原料となる植物を蒸留釜に入れ、下から水蒸気を通します。芳香成分を含んだ水蒸気を冷却管で冷やし、水と分離するとエッセンシャルオイル(精油)が得られます。一緒に得られる水はフローラルウォーターと呼ばれ、水溶性の芳香成分が溶け込んでおり、わずかに香りがあります。
水蒸気蒸留法は、現在、最も多く使用されている抽出方法です。ラベンダー、カモミール、ローズマリーなどはこの抽出法により抽出されます。
圧搾法
果実の皮から精油を抽出する場合に用いられます。果皮に圧力をかけて絞りとります。以前は手作業で皮を押しつぶしていましたが、最近は機械で果実ごと潰して、後で精油と果汁を分離する方法がとられるようです。オレンジ、レモン、グレープフルーツなどは、この抽出法により抽出されます。
溶剤抽出法
花や樹脂から精油を抽出する場合に用いられます。原料を石油エーテルなどの揮発性溶剤につけると、芳香物質が溶け出します。溶剤を揮発させると、香り成分と植物ワックスの塊(=コンクリート)ができ、これをさらにエタノールにつけると、再び芳香物質が溶け出します。最後にエタノールを揮発させれば完了です。
ジャスミン、ローズ、ベンゾインなどは、この抽出法により抽出されます。
ちなみに、溶剤抽出法で抽出された精油のうち、花やハーブから抽出されたものを「アブソリュート」、樹脂などその他の部分から抽出されたものを「レジノイド」と呼びます。
二酸化炭素抽出法 (超臨界流体抽出法)
超高圧の二酸化炭素ガスを利用した抽出法です。高圧をかけて液化した二酸化炭素を使い、植物の芳香成分を抽出します。その後、常圧に戻して二酸化炭素を気化させれば、エッセンシャルオイル(精油)を抽出することが出来ます。
比較的新しい抽出法で、熱による物質の変質などが防げるメリットがあります。