アロマテラピーとアロマセラピーの違いは?
アロマテラピーとアロマセラピーって、どちらが正しいの? 何か違いがあるの?
「アロマテラピー」は「アロマセラピー」という場合もあります。
どちらが正しいのでしょうか?
結論から言えば、どちらでも構いませんし、一般の人が普通に使う分には違いを意識する必要はありません。
基本的には外国語を日本語に直した時の表記の違いで、どちらかというと「アロマテラピー」は仏語的、「アロマセラピー」は英語的と言われます。
アロマは医療行為ではない
ただし、アロマ業界の中では、わずかにニュアンスの差があります。
日本では1995年に日本アロマテラピー協会が発足し、アロマテラピーの普及や啓蒙のための活動をはじめました(現在は「公益社団法人日本アロマ環境協会」に組織変更)。
この際、「セラピー」という言葉は使われませんでしたが、これは「セラピー」という言葉がもつ語感に配慮した側面があります。アロマテラピーは日本の法律上、明確に医療行為、治療行為ではありませんので、「治療行為」として広く使われている「セラピー」という言葉を使うことは誤解を招きかねませんし、健全なアロマの普及にとってはマイナスになる可能性もあります。
もちろん、これは日本語に直したときの表記の違いに過ぎませんので、厳密に言えば、「セラピー」を「テラピー」と読み変えたところで意味が変わるわけではありません。ただ、語感や印象というのは重要ですので、「アロマテラピー」という言葉で普及を行ったのは、正しい判断だったのかなと思います。現在では「アロマテラピー」と呼ぶ人のほうが多いですので、これは協会やアロマ業界の努力のたまものと言えるかもしれません。
ちなみに、「一般社団法人日本アロマテラピー協会」が「公益社団法人日本アロマ環境協会」に組織変更をした際には、テラピーという文字は外されてしまいました。環境省の所管となりますが、お役所的には、セラピーでもテラピーでも同じように誤解を与える可能性がある、ということでしょう。(政治的な配慮で、本来必要のない「環境」まで追加されてしまいましたが。。。)
あえてアロマセラピーと呼ぶ医師たち
一方、「アロマセラピー」という呼び方は、医療従事者を中心に使われています。例えば「日本アロマセラピー学会」は、医療従事者を中心に、医療行為としてのアロマの研究などをすすめています。
最近では、香りで認知症を予防する論文なども発表され、話題となりました。分娩の際に、アロマを使ったトリートメントを行う病院も多くあります。アロマの医療分野へのさまざまな応用が今後も期待されます。

アロマが医療として認められる日は来るのか
アロマテラピーという言葉を作ったのは誰?
「アロマテラピー」という言葉は造語ですが、この言葉を作ったのは20世紀のフランス人化学者、ルネ・モーリス・ガットフォセです。
ガットフォセは化学実験の際に大やけどを負い(芝生の上を転げ回って体の火を消した)、ガス壊疽(えそ)を起こしてしまいますが、その治療にラベンダー精油を使用したところ、驚くほど高い効果をあげたそうです。それ以来、精油の治療効果の研究に没頭し、1937年に『aromatherapie』を著しました。
日本でも、医療分野でのアロマの発展に期待したいところです。