映画 トラブルボックス 恋とスパイと大作戦
映画 トラブルボックス 恋とスパイと大作戦 レビューと感想
ウディ・アレンが監督・脚本・出演するコメディ。
舞台は60年代のとある共産国にあるアメリカ大使館。スパイ容疑をかけられたアメリカ人旅行者の一家が、大使館に逃げ込んだところからはじまるドタバタ劇。マイケル・J・フォックスが主演というところが、ちょっと珍しい。
実は、この作品、マイケルの著書『ラッキーマン』を読んだときから、かなり気になっていた。今回たまたまビデオを手にいれることが出来たのだが、DVD化もされているし、大きなレンタル店なら置いていると思う。
マイケル・J・フォックスがパーキンソン病を発病し、精神的にもかなり追い詰められていたときの作品である。
ヒット作やギャラの問題よりも、ウッディ・アレン作品のような面白い作品に出たいと言っていたら、ホントにお声がかかったらしい。マイケルにとっては、『ファミリータイズ』以来のTV作品で、ギャラも相当安かったようだ。
マイケルの役どころは、米国大使の息子。それなりにマジメで学歴もあるのだが、仕事の出来ない負け犬タイプ。親父のコネで同じ大使館で働いている。
そこへ、ウディ・アレン演じる旅行者一家が逃げ込んできて、大使館をめちゃくちゃにかき回す、といったストーリー。
ウディ・アレンお得意の、ハンディカメラで長回しするスタイルで、撮影のときは気が抜けないんだそうだ。俳優たちが一生懸命演技をする中を、カメラマンがぬうように進んでいき、面白い演技ができなければ、「カメラのパンする冷たい風を感じることになる(マイケル談)」(笑)
ウディ・アレンは撮影中、「脚本など投げ捨ててしまえ!」などと言うそうだ。自分の書いた脚本ですよ。常識では考えられない。
同じシーンを撮りなおすときも、同じセリフ、同じアングルなどは一つとしてないそう。
だから、この映画の面白さは、作品としての完成された面白さというよりも、舞台劇としての即興の面白さといったほうが正しい。
実際の演技でも、ウディ・アレンはまあ、よくしゃべる、しゃべる。どこまでが脚本で、どこからがアドリブなのか、サッパリ分からない。それに確実に反応している、他の俳優たちもすごい。そのかけあいがまた面白い。
最初はあまりのスピードについていけないくらいだが、慣れてくると、だんだんと顔がニヤついてくる。ウディ・アレンの魔法にかかった証拠だ。
「混沌から生まれるコメディも多い」とはマイケルの言葉だが、そんな言葉がピッタリの、楽しい作品である。
Text by じょん
2005/10/14
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