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| タイトル: |
福耳 |
| 原題: |
福耳 |
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(2003年、日) |
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| 監督: |
瀧川治水 |
| 出演: |
宮藤官九郎、田中邦衛、司葉子、坂上二郎、谷啓、横山通乃、宝田明、高野志穂 他 |
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『GO』や『ピンポン』の脚本家としても知られる宮藤官九郎と、「北の国
から」でおなじみの田中邦衛が競演したファンタスティック・コメディ。若者
の体に老人が乗り移るという、不思議なお話です。
舞台は、浅草の高齢者用マンション。そのレストランに、フリーターの高志
(宮藤官九郎)が就職するところから物語はスタートします。
ある日、高志が鏡をのぞくと、そこには昨日マンションで死んだはずの老人、
富士郎(田中邦衛)の顔が。彼は生前好きだったマンションのマドンナ、千鳥
(司葉子)への想いを捨てきれず、高志の体に乗り移り、想いを遂げようとす
る――。
「老人ホームなんて、なんか地味だし、辛気臭そう」などと言うなかれ。こ
こで暮らす高齢者たちは、皆個性的で元気いっぱい。齢は70になろうとも、
ダンスもすれば、恋もする。宝田明演じるオカマバーのマスターや、マドンナ
千鳥をめぐる高齢者たちの恋のバトルなど、思わず笑いがこみあげてしまう。
ここには今の日本に足りない「元気」があるのです。
一方、元気がないのは、若者の代表とも言える主役の高志。30前なのにロ
クに定職にもつかず、目上の人に敬語すら使えない。ひょろひょろで、歯並び
も悪く、終始フラフラしていて、だらしなくエヘヘ〜と笑う。ダメ人間を絵に
描いたらこうなりました、とでもいうような独特のキャラクター。
そんなダメダメ高志と、富士郎が、徐々に心を通わせていく。
生きる目標や希望を見い出せない高志に、もはや人生を終えてしまった富士
郎が語りかける。それは、説教でも繰り言でもない。長く厳しい人生を生きて
きたからこそ言える、重みのある言葉の数々。高志ならずとも、その言葉にハ
ッとさせられる人は多いはずです。
若者は生きる勇気を与えてもらい、高齢者は生きる元気を与えてもらえる。
頬を伝う涙も心地よい、優しい映画です。
コメディ部分も非常に面白く、場内は常に笑いに包まれていました。老若男
女すべてに通じる笑いというのは意外と難しいものですが、この映画はそのあ
たりのさじ加減が実にうまい。特に宮藤官九郎の一人二役は必見です。
肩ひじ張らずに観られる娯楽映画の秀作。
スバル座だけの上映でしたが、人気のため全国拡大ロードショーが決定した
模様。ぜひお近くの劇場まで足を運んでください。
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| Text by じょん |
2003/9/27 メールマガジン掲載 |
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