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ジョイ・ラック・クラブ



タイトル: ジョイ・ラック・クラブ
原題: THE JOY LUCK CLUB
(1993年、米)

監督: ウェイン・ワン
出演: ミンナ・ウェン、キュウ・チン、ツァイ・チン 他




レビュー&コメント

 誰にでも「心に残る映画」というものがあると思います。友人が褒めちぎる
わけでもなければ、アカデミー賞を受賞したわけでもない。説明するのは難し
いけれど、ひどく感動して忘れられない・・・。『ジョイ・ラック・クラブ』
は、私にとって、そんな一本です。

 舞台は1940年代のアメリカ。中国系移民の女性4人が「喜び」と「幸運」
を分かち合い、麻雀を楽しむ会、それが「ジョイ・ラック・クラブ」。4人に
は成人した同世代の娘たちがいますが、この母親と娘たちが、それぞれ過去を
回想する形で物語が進展していきます。

 4人の母親に共通しているのは、それぞれが故郷・中国で辛い過去を経験し
ているということ。ある者は戦乱の最中、双子の子供を路上に置き去りにし、
ある者は家族と別れ、顔も見たことのない夫と結婚させられる。
 そんな呪われた過去と古い慣習に縛られた中国を捨て、新天地アメリカへと
移住してきた彼女たちは、せめて自分の子供にだけは自分と違って幸せな人生
を送ってほしいと願う。親としては当然の気持ちでしょう。

 一方、娘たちが生まれ育ったのは、自由の国アメリカ。母親の過ごした中国
とは考え方も環境も異なり、母親の気持ちもなかなか娘には届いてくれない。

「どうして両親は私の言うことを理解してくれないんだろう」
「どうしてあの子は私がこんなに心配しているのが分からないんだろう」

 そんなことを考えたことは、誰でも一度や二度はあるでしょう。シチュエー
ションは違えども、これは誰もが経験する普遍的な問題なのです。

 皮肉なことに、幸せになってほしいという母親たちの願いとはうらはらに、
娘たちは次々と人生の危機に直面していく。過去を切り捨て、幸せを求めて移
住してきたはずのアメリカで、娘たちが自分と同じような悲しい道を歩んでい
るという、この矛盾――。しかし、しかしです。

 困難に直面し、親子が本音でぶつかり合ったその時こそ、親子の心がはじめ
て通じ合うのです。親子の間に横たわっていた深い溝が埋まる、まさにその一
瞬を、この映画は鮮やかに描き出しています。そしてその時こそ、娘たちは幸
せに向かって歩き出すのです。
 4組の親子の心が通じ合う場面は本当に感動的。何べん見ても、涙がこみあ
げてきます。

 映画『ジョイ・ラック・クラブ』は、世界的なベストセラーとなったエイミ
・タンの同名小説を映画化したもの。興味のある方は、ぜひそちらも読んでみ
てください。



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  Text by じょん 2003/5/24  メールマガジン掲載
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