|
|
|
| タイトル: |
彼女を見ればわかること |
| 原題: |
Things You Can Tell Just by Looking at Her |
|
(1999年、米) |
|
|
| 監督: |
ロドリゴ・ガルシア |
| 出演: |
グレン・クローズ、キャメロン・ディアス、キャシー・ベイカー、ホリー・ハンター、キャリスタ・フロックハート 他 |
|
 |
|
人肌の恋しいこの季節、なんとも言えないもの悲しさを感じたときは、こん
な映画はいかがでしょう? 女性の内面を繊細に描いた映画、「彼女を見れば
わかること」です。
5人(+α)の女性のエピソードで構成される、全5話のオムニバス形式。
物語は、第5話に登場する女性刑事キャシーが、ある女性の自殺現場を検証す
るところから始まる。
老母の介護に疲れながらも、同僚との恋に希望を見いだそうとする女医キー
ナー。本当の愛を知らず、不倫の末に子供を中絶する、銀行の支店長レベッカ。
死にゆく恋人(女性)をなすすべもなく見守る、占い師クリスティーヌ。思春
期の息子の愛情が自分から離れていくのを感じる、シングルマザーのローズ。
盲目ながら奔放に生きる妹キャロルと、彼女の世話に追われて自分を顧みる余
裕のない、姉で刑事のキャシー。
この映画に登場する女性たちは、みなが独身か離婚をした身。仕事を持ち、
自立心が強く、男性に頼ることなく毎日を暮らしています。
同じ町に住みながら、全く境遇の異なる彼女たちに共通するのは、漠然とし
た寂しさや孤独を抱えていること。人前では決して見せない弱さや脆さが、時
に痛々しいほどに描かれます。この一貫した孤独感と、ときどき交錯する登場
人物たちが、5つの独立したお話を一つのストーリーとして組み立てていく。
タイトルの「彼女を見ればわかること」の「彼女」とは、第5話の盲目のキャ
ロルのセリフからして、自殺した女性のことを指しているのでしょう。もの言
わぬ女性の死体。しかし、キャロルは彼女が直面したであろう人生の挫折や苦
悩に思いを巡らし、そして自らの不幸を重ね、涙するのです。
全篇に貫かれたこの孤独感。このまま終わったら「癒されない映画」なので
すが、この映画には実に爽やかなラストが待っています。この最後が実にいい
のです!
ハッピーエンドではありませんが、このラストには、今まで切々と描かれて
きた不幸を吹き飛ばしてくれるかもしれない、幸せの予感があります。映画は
ここで終わりますが、物語はまだ終わらないのです。
もちろん、この先どういう展開が待っているかは分かりません。でも、少な
くとも私が、このラストを観て前向きな気持ちになったのは事実。人生ってつ
らいことばかりじゃない。私はそう思っています。
人生の厳しさと、映画の優しさをあわせ持った、ちょっぴりいい映画。おす
すめです。
|
|
 |
| Text by じょん |
2003/11/21 メールマガジン掲載 |
|
 |
|
|