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シネマ雑感
「映画に見るオリンピック」





 ソルトレークオリンピックでは、ジャマイカのボブスレーチームもたいへん
だったらしいね。同時多発テロの影響で、アメリカの企業がなかなかスポンサ
ーになってくれなかったんだそうだ。現実はせちがらいねえ。

 オリンピックの映画というと、すぐに思い出すのは大会を記録したドキュメ
ンタリー映画だ。最近はあんまり聞かないけど、昔はけっこう製作されてたみ
たい。
 ベルリンオリンピックを題材にした「民族の祭典」と「美の祭典」(38年、
レニ・リーフェンシュタール監督)や、市川崑監督の「東京オリンピック」
(65年)、篠田正浩監督の「札幌オリンピック」(72年)なんかが有名だ
けど、私はどれひとつ観ていない(笑)。こういうのって、歴史的興味がない
となかなか観ないよね。やっぱ「クール・ランニング」のような劇映画のほう
がいい。

 私が好きなオリンピック映画は「炎のランナー」(81年、ヒュー・ハドソ
ン監督)。1924年のパリオリンピックで金メダルをとった2人の英国人青
年の活躍を描いた作品だ。
 しかし、この映画でもっとも私の心に残っているのは主役の2人ではない。
少女マンガチックな英国貴族の青年アンディである。ハードル走の選手。彼の
キザなトレーニング風景は必見だ。

 広大な自邸の庭園に並んだハードル。そのひとつひとつの上に、なみなみと
シャンパンを注いだグラスが置かれている。執事が見守るなか、それをこぼさ
ないように飛んで走り抜けるアンディ。やっぱ、貴族サマの考えることは、ス
ケールが違うだ!

 アンディは結局、金メダルは逃してしまう。しかし、金をとった主役2人以
上に、その優雅な姿は私の心に焼き付いている。やっぱ「記録」よりも「記憶」
だ。
 メダルをとった、とらないで一喜一憂するようなオリンピック観戦のしかた
はもうやめたほうがいいんではないかと思う。そうすれば、今回のようにジャ
ッジでもめるようなことも、少しは少なくなるんではないかな。



  Text by 輝 2002/3/2  メールマガジン掲載




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