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来月に日本公開をひかえ、最近は予告編を目にすることも多い「ロード・オ
ブ・ザ・リング」。評判も上々のようで、アカデミー賞では史上最多の13部
門にノミネートされた。
原作はJ.R.R.トールキンの「指輪物語」。熱狂的ファンが多い小説なの
で「イメージが違う!」なんておしかりの言葉がバンバン飛んでくるんじゃな
いかと思ってたけど、フタを開けてみたら原作ファンにも受けがよかったみた
いだ。
映画と原作の違い、という問題はよく話題に上る。
ヒッチコックの「鳥」(63年)や、勝新の「座頭市」シリーズは短編小説
を見事に長編に膨らませた例。「007」シリーズのいくつかの作品のように、
原作からはタイトルと登場人物の名前を借りただけでストーリー設定はまった
く別モノ、なんてのもある。原作に忠実なのがベスト、とは一概に言い切れな
い。
今から10年くらい前、大学生のころだったと思うが、私も原作の「指輪物
語」を読んだ。文庫本で6冊もある大長編だが、長さを感じさせない面白さで
ある。
とくに好きで何度も読み返したのはラストのさらにその後、最終巻の末尾に
ついていた付録。物語の中の世界で使われている暦や言語(ちなみに作者のト
ールキンは言語学者でもある)、神話・伝承や家系図など、ちょっとマニアッ
ク過ぎる濃ゆ〜い資料(?)の中に、旅の仲間たちの「その後」を記した年表
が入っている。これが私のお気に入りであった。
年を経るにつれ、旅の仲間のある者は死に、ある者はいずこかへ去り、「中
つ国(映画では「ミドルアース」ね)では、指輪の仲間は跡を絶った」という
一節で年表は終わる。
フロド、サム、アラゴルン、ガンダルフ・・・それまで文庫本6冊という長
きにわたってつきあってきた登場人物たちは、すでに友人のように親しみ深い
存在になっている。そんな彼らの「その後」はあまりにも切なく感慨深く、何
度読んでもジーンと胸にせまったものである。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」は3部作になるらしいが、この「年表」
をシリーズのラストにどういうふうに組み込んでくれるのか(例えば、「アメ
リカン・グラフィティ」(73年)のラストのように!)、それともくれない
のか、今からちょっとドキドキしつつ待っている私である。
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| Text by 輝 |
2002/2/15 メールマガジン掲載 |
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