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シネマ雑感
「英国人と紅茶」





 「ウォレスとグルミット」はイギリス映画。さすがと言うか、「紅茶」を飲
むシーンがたくさん登場します。ソファに腰掛け、ソーサーを持ってお茶を飲
む。何気ない仕草ですが、日本人がしてもあまりサマにならないんですよね。

 英国人と紅茶という組み合わせは、ある意味お約束といってもいいかもしれ
ません。「大脱走」(63年、米)では、パスポート偽造係の英国人が「ミル
クを入れない紅茶は野蛮です。」などと言いながら紅茶を飲むシーンがありま
す。
 英国人と紅茶というと、どことなく優雅なイメージがありますよね。アンソ
ニー・ホプキンスが英国貴族の執事に扮した「日の名残り」(93年、米)や、
イギリス人令嬢の恋を描いた「眺めのいい部屋」(85年、英)などにも、や
はり紅茶を飲むシーンが登場します。

 一方、最近のイギリス映画はと言いますと、紅茶の似合う上流階級はすっか
り影をひそめ、かわりに地方の労働者階級が大活躍。
 「トレインスポッティング」(96年、英)、「ブラス!」(96年、英)、
「フル・モンティ」(97年、英)、「リトル・ダンサー」(00年、英)
などなど、描かれているのは、そのほとんどが、不況、貧困、退廃、ドラッグ
・・・。
 もちろん、それらマイナスイメージを吹き飛ばすような痛快な作品が多くて
どれも大好きなのですが、「イギリスってそんなに景気悪いの?」と、思わず
余計な心配をしてしまいます。

 で、肝心の紅茶の方はと言いますと、そこはやっぱり英国人、シチュエーシ
ョンは変わっても、しっかりと飲んでいるようです。
 「シーズン・チケット」(00年、英)では、サッカースタジアムでミルク
たっぷりの紅茶を飲むことを夢見て、悪ガキ2人が大奮闘。ガイ・リッチー監
督の痛快ギャング映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」
(98年、英)では、襲撃の前に紅茶をいれるシーンが。
「こんな時に紅茶かよ?」
「紅茶は大英帝国の代名詞だ。戦場に行くときだって紅茶を飲むんだ。」

 何も優雅なひとときを過ごすだけが紅茶の楽しみ方じゃない。
 どんなときでも、やっぱり英国人には紅茶が似合うのです。



  Text by じょん 2002/2/8  メールマガジン掲載




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