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| みんなのミュージカル入門 |
| 「レッスン2 ザッツ・エンターテインメントと水着の女王の秘密」 |
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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年、米、ロバート・ゼメキス監
督)では、現代(といっても、もう15年以上も前になるのか・・)の高校生
マーティが1955年にタイムスリップする。映画の中の1955年はせちが
らい現代とは違って、どこかのどかで幸せな時代だ。夕食どきにはテレビをか
こんで一家だんらん。町の外には一面のトウモロコシ畑。高校生は学校のダン
スパーティーを楽しみに待っている。これがそのまま現実の1955年という
わけではないのだろうが、それでも「いい時代」だったことは確かだろう。
ミュージカル映画もこのころはまだ、「道端で突然歌いだすなんて、恥ずか
しいよねー」などとゴチャゴチャうるさいことを言われずに、おおらかに受け
入れられていたようだ。ハリウッド・ミュージカルの黄金時代である。
この時期のミュージカルは、どれもこれも底抜けに楽天的でハッピーな作品
ばかり。ハッピーすぎて、なんだか切なくなってくるくらいだ。代表作は「雨
に唄えば」(52年、米、スタンリー・ドーネン監督)や「巴里のアメリカ人」
(51年、米、ビンセント・ミネリ監督)あたりだろうか。いま観ていても、
「どうです? 面白いでしょう」という作り手の自信が伝わってくる。
黄金時代のハリウッド・ミュージカルを楽しむための手引きになるのが「ザ
ッツ・エンターテインメント」(74年、米、ジャック・ヘイリーJr監督)
だ。MGMが創立50周年を記念して製作したミュージカル映画の名場面集で
ある。
この中で「水着の女王」(49年、米、エドワード・バゼル監督)という作
品の一場面が紹介されている。主演女優はエスター・ウィリアムス。全米選手
権にも出た水泳選手で、引退後モデルをしていたのをMGMが破格の待遇でス
カウトした(彼女のためだけに撮影所内にプールが作られたそうだ)。
彼女の主演映画の売りものは超豪華な水中レビューである。
まるで古代の神殿のような巨大なセット。ズラリと居並んだ美女たちが神殿
の前にある大きなプールに次々と飛び込む。繰り広げられるシンクロナイズド
・スイミングの宴。やがて美女たちが一斉に神殿のほうを指し示すと、女神の
かっこうをしたエスター・ウィリアムスが満を持して登場――原色に彩られた、
気が狂ったとしか思えないようなゴージャスな画面が続く。
どういうストーリー展開でこんなシーンが出てくるのか不思議でしょうがな
かったので、レンタルビデオ店で「水着の女王」を探して借りてきた。主人公
は元水泳選手で、今は水着メーカーの女社長。自分でモデルもやる。さっきの
シーンは新作水着の発表会であった(とてもそうは見えないが)。・・・意外
にマトモな話なのね。あまりに現実離れしているので、てっきりドラッグをキ
メた主人公の幻覚シーンかなんかだと想像していた私であった。
現在では考えられないようなウルトラ・ゴージャス。これも往年のミュージ
カルを観るときの楽しみの一つである。
(つづく)
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| Text by 輝 |
2001/12/6 メールマガジン掲載 |
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