映画 ラブ IN ニューヨーク
映画 ラブ IN ニューヨーク レビューと感想
先々週は94年の『ザ・ペーパー』、先週は89年の『バックマン家の人々』、そして、ロン・ハワード特集の最終回となる今週は82年のこの作品。監督デビュー第2作にあたる『ラブ IN ニューヨーク』である。
主人公のチャックは気弱な男。
株屋のピリピリした世界に精神的にたえられなくなり、いまはニューヨークの死体置き場で働いている。
ブキミな職場ではあるが、仕事は楽だし、なにより静かでいい。かれはそう思っている。
そんなチャックのもとに、相棒として新たに配属されてきたのがビル。チャックとビルは夜勤にまわされ、夜の死体置き場で日々2人っきりですごすことになる。
ビルはとにかく騒々しい男。
つねにテープレコーダーを持ち歩き、頭にひらめいたアイデアをメモ代わりにふきこむ。
紙くずを見つめては、
「・・・待てよ。そうだ。食べられる紙。これならゴミも出ない!」
サンドイッチを食べるときには、
「ツナ缶に最初からマヨネーズを入れておく。・・・いや、マグロのエサをマヨネーズにしちゃえばいい!」
――まあ、基本的に役に立たない男なわけである(笑)。
しかし、人なつっこい性格なので、気むずかしいところのあるチャックとはいいコンビになる。
ある晩、街の娼婦たちの元締めをしている男が何者かに殺され、死体置き場に運び込まれてくる。
死体を確認にきた娼婦・ベリンダは偶然にもチャックと同じアパートの住人。これがきっかけで、2人は親しくなる。
元締めが死んでしまったおかげで、ベリンダと仲間の娼婦たちはこまってしまう。女だけで“商売”をしていると、なにかと危険なのだ。
そこで、アイデアマン・ビルがひらめいた。
「チャック、おれたち2人でやろうぜ!」
さいわいなことに、夜の死体置き場はチャックとビルの2人だけ。事務所は自由に使える。車も死体運搬用のがある。
かくして2人のビジネスが始まった。
“商売”は大繁盛。娼婦たちの取り分を相場より破格に多くしたおかげで、彼女らの受けもいい。チャックとベリンダのあいだには恋がめばえる。
しかし、街のギャングがかれらの“商売”をだまって見ているはずがなかった――。
死体置き場と娼婦。気のきいた取り合わせである。
この設定なら、ふつうは死体がらみのブラックユーモアや、セックスをネタにしたきわどいギャグを連発したくなるところである。
しかし、この映画はそのへんガツガツしていない。コメディだが、笑わせよう笑わせようとするのではなく、なんとも自然なのだ。
そのぶん、ハチャメチャな勢いはないのだが、こじんまりときれいにまとまっていて、気分よく観ていられる。
Text by 輝
2005/9/29
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