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ファンシイダンス



タイトル: ファンシイダンス
原題: ファンシイダンス
(1989年、日)

監督: 周防正行
出演: 本木雅弘、鈴木保奈美、大沢健、彦麿呂、田口浩正、竹中直人 他





 最近ふと思う。「・・・ちょっと薄くなってきたなあ」。髪の話である。

 まだ髪にコシと力があった20代のころは、1:9分けのバーコード頭にし
ているオッサンを目にするたびに「未練がましい」と見下していた私。もし自
分がハゲてもああはなるまい、いさぎよく坊主頭にしよう、いや、いっそのこ
とスキンヘッドに・・・なんて思っていた。
 しかし、オヤジと呼ばれる年代に近づくにつれ少しずつわかってきたのだが、
あれは別に未練がましくハゲを隠そうと思ってやってるわけではないのだね。

 なんかさ、髪が少なくなってくるとあんまり床屋に行かなくてもよくなって
くるのよ。私の場合、以前は1カ月に1回は床屋にいかないと伸びた髪がうっ
とうしくてしょうがなかったのが、生え際が後退した今では2、3カ月にいっ
ぺんで大丈夫(笑)。

 このまま行くと、やがては1年に1回くらいでよくなるかもしれない。いっ
そのこと潔くボーズにしよう、と思っても、タイミングというものがあって、
なかなかふんぎりがつけられない。「ま、そのうち」なんて言ってるうちにい
つの間にか長くなってしまった髪をベロンとたらしてるのもナンだから、ちょ
っと頭のてっぺんにのっけとくか――となるのはきわめて自然な流れのような
気がする。
 しかし、そんなふうに流されてばかりの人生ではイカン! いつかはスパー
ンと決断を下したい。そういう勇気を忘れずに強く生きていきたい(笑)。

 前置きが長くなったが、さて『ファンシイダンス』である。実家のお寺を継
ぐために禅寺に修行に出されたフツーの青年・陽平(本木雅弘)の毎日をつづ
ったコメディの快作。
 禅寺生活のディテールがとにかく面白い。夜寝る時のポーズからウンコの仕
方にまでキビしい作法がある。もちろん女人禁制(しかし、ホモの坊さんはい
る)。

 陽平はマジメに修行するつもりはさらさらなくて、サボったり逃げたりしな
がらテキトーに日々を送っている。ハンパ者の問題児として先輩達からは苦々
しい目で見られているのだが、最後の最後になって初めて自分の意志で正面か
ら修行に取り組む決意をする。この作品、一種の青春モノでもあるのだ。
 
 登場人物の多くは坊さんなのだが、煩悩の象徴、髪の毛をサッパリ剃り落と
したその姿は意外にサワヤカでカッコイイ。そうそう、最近では『少林サッカ
ー』(02年)でもツルツル頭になったヒロイン(ヴィッキー・チャオ)がけ
っこうかわいかったぞ。
 そう! ボーズは素敵! ボーズはセクシー! ボーズ最高! 私もいずれ
時が来たら、勇気を持って坊主になりたい。そう心に誓った31歳の夏。



  Text by 輝 2002/8/30  メールマガジン掲載




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