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スパイダーマン



タイトル: スパイダーマン
原題: Spider-man
(2002年、米)

監督: サム・ライミ
出演: トビー・マグワイア、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンスト





「『スパイダーマン』面白かった? どういうストーリーなの?」
「え〜っとねえ、アメリカ版のび太みたいなダメダメ高校生が主人公でさ、そ
 いつがクモにかまれるんだよね。そしたらクモみたいな超能力が身に付いて
 ・・・」
「何ソレ。バッカみた〜い」

 確かによく考えるとバカみたいな設定だ。
 そのクモはただのクモではなくて、遺伝子操作によって生まれた「スーパー
・スパイダー」で・・という多少もっともらしい説明もあるのだが、それにし
てももう少し何とかならなかったのだろうか。

「本郷猛は悪の組織ショッカーの改造手術を受けて仮面ライダーになった」
「M78星雲からやってきた宇宙人がハヤタ隊員にのりうつりウルトラマンに
なった」
「アメリカの高校生ピーター・パーカーはクモにかまれてクモ人間になった」

 ――こう3つ並べても「スパイダーマン」の説明が一番テキトーな感じがす
る。
 しかし、世の中理屈がすべてではない。「燃えよドラゴン」でブルース・リ
ーも言っていた。
「・・考えるな。感じるんだ」

 動態視力の限界に挑戦するかのような超スピードでニューヨークの街を飛び
交うスパイダーマンの姿は「理屈」抜きで圧巻。ここはミスター・リーの教え
を信じ、あんまり考えこまずに驚異のビジュアルに身をゆだねよう。

 なんてことを言うと、この作品をCGだけがウリのまるっきりのアホアホ映
画だと思っちゃう人もいるかもしれない。しかし、クモにかまれた後は、意外
とドラマ部分もガンバッているのだ。観ていて、不覚にも目頭が熱くなってし
まった。

 スゴい超能力を手に入れた主人公ピーター(トビー・マグガイア)は有頂天
になり、「力」を使ってこづかい稼ぎする。正義のヒーローになろうなんて気
はさらさらない。ケチな強盗を見かけても、「ま、ボクには関係ないネ」と見
過ごしてしまう。

 ところがその強盗が逃走中にピーターの育ての親である叔父を射殺。「自分
のせいだ」と悲嘆にくれるピーターの胸によみがえるのは生前の叔父の言葉。
「大きな力を持つ者には大きな責任が伴うのだ」
 その瞬間、正義の味方として生きる決意をするピーター。泣ける。

 この映画の道具立て、例えば、赤地にクモの巣をあしらったおなじみのコス
チュームやら、ド派手な悪役グリーンゴブリンやら――はあくまで子供向けヒ
ーローもののそれだ。しかし、人間ドラマのほうはこの後も最後までシリアス。
 いやあ、観る前に想像してたのよりはるかにマジメな映画だったので、ビッ
クリしたよ。



  Text by 輝 2002/5/25  メールマガジン掲載




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