映画 快盗ルビイ
映画 快盗ルビイ レビューと感想
ちょっとレンタルビデオでも借りてみるか。会社や学校の帰り、けっこう遅くなった時なんかにふとそんなふうに思うことがある。
疲れているので、めんどくさい映画は観たくない。どんなに評判がよかった映画でも、登場人物が20人くらい出てきて複雑な人間関係がねっとりと絡み合ってたり、サイコキラーによる連続殺人で鮮血が10ガロンくらい飛び散ったり、上映時間が4時間20分だったり、そういうのは勘弁してもらいたい。
できれば長さはせいぜい90分くらいで、しゃれた感じの軽いコメディが観たい。何かいいのないかなあ。そう思いつつ、いつもまっすぐ洋画のコーナーに向かっているアナタ!(長いなあ)。
たまには日本映画の棚にも目を向けてあげよう。日本映画にだって「しゃれた感じの軽いコメディ」はあるのだ。今回紹介する「快盗ルビイ」がそれだ。
主人公の真田広之は母親と2人暮らしのサラリーマン。マザコン気味で黒ブチメガネ、のび太並みにさえない青年。そんな彼と同じマンションにミステリーマニアのかわいい女の子、小泉今日子が引っ越してくるのが発端。
今でこそ、昔の恋人によろめく人妻(TVドラマ「恋を何年休んでますか」)からサイコ犯罪者(「踊る大捜査線 THE MOVIE」)、不老不死の妖怪じみた美女(「陰陽師」)まで芸域を広げているキョンキョンだが、このころはまだまだ「かわいい女の子」で通している。
ミステリー趣味が高じたキョンキョンは「犯罪のスリルを味わってみた~い!」と次々に完全犯罪のアイデアをひねり出す。その実行部隊として白羽の矢を立てられた真田広之。
気弱な彼は小悪魔的なキョンキョンに「計画」を持ちかけられると、惚れた弱みもあって断わりきれない。内心ビクビクしながら、キョンキョンの完璧(?)なプランにしたがって右往左往を繰り返す。
果たして計画通りにうまく事が運ぶのか、というドキドキ感。そして、思わぬところから計画が失敗してしまう意外性。ちょっとユーモラスなオチ。そしてまた次の計画。・・脚本はホントよくがんばって考えたよなあ。パチパチ。
監督・脚本の和田誠は有名なイラストレーターである。シンプルな線で書かれた飄々とした風合いのイラストはみなさんもどこかで目にしたことがあると思う。熱烈な映画ファンとしても有名で、コラムとイラストで映画の名セリフを紹介した著書「お楽しみはこれからだ」は少年時代の私の愛読書でもあった。
「快盗ルビイ」は和田氏の監督第2作。デビュー作の「麻雀放浪記」(84年)も面白い映画だったが、敗戦直後の東京を舞台にアウトローたちの生き様を描いたピカレスクなストーリーは、和田氏本来の持ち味とはちょっと違っていた気もした。
それに比べると「快盗ルビイ」はまさに彼の描くイラストそのままに、かわいらしくもちょっと大人っぽくロマンチックな仕上がり。粋な映画です。
Text by 輝
2002/4/26
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