映画 シャンドライの恋

タイトル: シャンドライの恋

原題: Besieged

製作: 1998年、伊

監督: ベルナルド・ベルトルッチ

出演: サンディ・ニュートン、デヴィッド・シューリス、クラウディオ・サンタマリア、ジョン・C・オイワン 他

映画 シャンドライの恋 レビューと感想

 この「シャンドライの恋」を観に行ったのは、ストーリーの結末がどうなるのかが気になってしょうがなかったからだ。テレビの情報番組(たしかTBS「王様のブランチ」だったっけ)の映画コーナーで紹介されていたあらすじは、ざっとこんな具合――。

 「夫が政治犯として投獄されたアフリカ人女性シャンドライ。彼女はローマに移住し、内向的な独身ピアニスト・キンスキーの家で住み込みの家政婦として働く。
 キンスキーは次第に彼女に惹かれ始め、ある日とうとう告白する。そんな彼にシャンドライは『私を愛してるって言うんだったら、夫を助けてよ!』と冷たい一言をぶつける。キンスキーは静かに引き下がる。
 次の日から、キンスキーの屋敷の高価な骨董品や家具が少しずつなくなっていく。彼は何も言わないが、それらを金に換えてシャンドライの夫を助け出そうとしているらしい――」

 献身的な愛と言ってしまえば聞こえはいいが、こんなことをやられた相手はちょっと困っちゃうんではないだろうか。「サンキュー」と一言いって、夫と手に手をとってサヨウナラ、というわけにもいかないだろうし。

 いや、まあ、現実世界にはそういう女も多いと思うけど(笑)、なにしろシャンドライは恋愛映画の主人公である。そこまでヒドい女ということはないだろう。
 果たして2人のドラマにどのような結末が用意されているのか、それを見届けるために映画館へ足を運んだ。

 実際観てみるとこの映画、そんなストーリーもさることながら、表現のセンスがバツグン。
 屋敷の階上から響いてくるピアノの旋律、見交わす2人の視線、ひとつ、またひとつと消えていく高価な骨董品、石畳の上を歩いてくる黒人神父――どれもこれも妙に思わせぶりなモチーフなんだけど、描写にはどこかそっけない風もあって、なんだかフシギな気分にさせられる。

 そして物語のラスト、夫の釈放を前にした2人は・・・いや、やめとこう。別にどんでん返しとか意外なラストシーンが待っているわけではないんだけどね。あえて結論を出さないような終わり方、というか。

 やっぱりこういう問題にはハッキリと単純明快な答えは出ないみたい。でも、それでいいのだ。観終わった後には、こちらの想像力がさらにさらにかきたてられて、もうどうしようもなくなってしまうのである。・・いい映画です。

Text by 輝
2002/2/22

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