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ハリー・ポッターと賢者の石



タイトル: ハリー・ポッターと賢者の石
原題: Harry Potter and the Sorcerer's Stone
(2001年、米)

監督: クリス・コロンバス
出演: ダニエル・ラドクリフ、ロビー・コルトレーン、マギー・スミス 他





 言わずとしれた超ベストセラーファンタジー小説の映画化である。魔法使い
を養成する「ホグワーツ魔法学校」が物語の主な舞台だ。作中で描写されるホ
グワーツの授業風景や寮生活は、ユニークなアイデア満載で面白い。校内を幽
霊が飛び回っていたり、頭が3つある巨大な番犬がいたり、ディズニーランド
のホーンテッドマンションのような楽しい(?)学校である。この映画を観て
「ボクも魔法使いになりたい!」と言う子供たちも多いと思う。

 しかし、普通の家に育った子どもが魔法使いになるのは、たとえお話の中の
世界でも難しいみたいだ。ホグワーツの新入生のほとんどは、魔法使いの血を
ひく「特別な子ども」ばかりである。主人公・ハリーの死んだ両親は2人とも
ホグワーツで学んだ優秀な魔法使いだったし、ハリーの親友・ロンも3人の兄
がみんなホグワーツの生徒という魔法使い一家の出だ。ハリーにたびたび嫌が
らせをする同級生・ドラコも由緒正しい魔法界の名門出身で、それを鼻にかけ
ている。この世界はやっぱり血統主義なのだ。

 ハリーの同級生にハーマイオニー(エマ・ワトソン)という女の子がいる。
映画の中でははっきり触れられていないが、彼女だけは両親とも普通の人間と
いう設定なのだそうだ。映画に出てくる魔法使いのタマゴたちの中でただ一人、
「血統書つき」ではないのである。魔法使いになりたいフツーの子どもたちに
とっては、希望の星だ。

 ハーマイオニーは顔立ちこそかわいらしいが、最初はちょっとうざったいヤ
ツとして登場する。勉強(もちろん魔法の)ばっかりしていて、「あんた、こ
んなことも知らないの!」と同級生をバカにしたりする。授業中には真っ先に
手を挙げて、鼻高々で答えを言うちょっとイヤミなタイプ。
 しかし、そんな生意気なふるまいも、名門出の同級生たちに遅れをとるまい
として精いっぱい突っ張った結果なんだよね、たぶん。クラスメートに「アイ
ツ、あんなんだから友だちができねーんだよ」と陰口を言われ、思わずトイレ
で1人泣いちゃったりするのである。かわいいところもあるのだ。

 そんなハーマイオニーも次第にハリーたちと仲良くなり、一緒にホグワーツ
の奥の間に隠された「賢者の石」をめぐる冒険に乗り出していく。ピンチのと
きには、ハーマイオニーがそれまでにセコセコ勉強して習い覚えていた小ネタ
の魔法(ドアのカギを開けるとか)がけっこう役に立っていた。努力は必ず報
われるのである(といっても、最後にはハリーの派手な活躍が事件を解決する
んだけどね)。

 ハリーは生まれ持った才能のおかげで、たいていの魔法は同級生の誰よりも
うまくできてしまう。そのうえ、さらにまだ何かすごい「力」を内に秘めてい
るらしい。まさに血統書つきの超サラブレッドだ。しかし私には、みんなにチ
ヤホヤされているハリーの派手な活躍よりも、ハーマイオニーが1人で必死に
習い覚えたセコい魔法のほうが、なんだかカッコよく見えた。

 この作品はシリーズ化される予定で、すでに続編もクランクインしているそ
うだ。次作以降ではぜひ、「一般庶民」代表のハーマイオニーの一層の活躍を
期待したい。そして将来は、魔法界のエリート・ハリーに負けない大魔法使い
に成長してほしいなあ・・。
 がんばれ、ハーマイオニー!



  Text by 輝 2001/12/14  メールマガジン掲載




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